皆さんの健康のために

血圧測定のお勧め

 日本の心血管系疾患の死亡数に最も関係する要因は高血圧です。高血圧は脳卒中や心筋梗塞などのような致命的な血管合併症を発症するリスクを高めるため、早期に発見し、治療などの対応をしていく必要があります。しかし高血圧それ自体には症状がないため、発見が遅れることが多いのが実情です。そこで、高血圧の早期の発見には、まず血圧測定を行ってみることが大切です。

 日本では、高血圧の方が4300万人と推定されており、その中でも高血圧の自覚のない方が1400万人にも上るといわれています。血圧は年齢とともに上昇する傾向があるので、検診などに積極的に参加し、血圧を測定する機会を得ることは非常に有用です。また、ご自宅に血圧計を準備されるのも良いでしょう。ご自身で血圧を測定してみると、測定する条件によって、容易に血圧が上下することにお気付きになるかと思われます。血圧が上がる条件は、歩いた直後、階段昇降後などの運動直後、発熱時やどこかに痛みがあるとき、不快な寒暖を感じるとき、声を出しているときや焦っているときなどです。理想的な血圧測定方法は、上腕での測定で、自宅で起床後1時間以内に、静かで適当な室温で、椅子に脚を組まずに座り1~2分ほど安静にした後、できるだけ会話を控えた状態で、喫煙・飲酒・カフェイン摂取を行わずに、カフ位置を心臓の高さに維持できる環境で行うことが望ましいです。

 また、血圧は塩分摂取や飲酒状況、喫煙状況、過体重、ストレス状況などの生活習慣の変化を反映します。血圧を定期的にモニタリングすることは、日常生活を見つめ直すきっかけにもなりますのでぜひご検討ください。

2022年5月1日


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