皆さんの健康のために

「機能性ディスペプシアとは」

 近年、コマーシャルでも聞く機会が増えた「機能性ディスペプシア(func-tional dyspepsia,FD)」をご存じでしょうか? 胃がもたれる、胃痛、食欲不振などの症状がある程度続いているのに、胃の検査で何も認められないという病気を機能性ディスペプシアといいます。以前は単に「気のせい」で片付けられてしまいましたが、あるアンケート調査では10人に1人ほど悩んでいることが分かりました。

 この原因には、胃酸過多や胃の運動障害、感覚異常、心因性などいろいろな要因が関わっており、治療が難しいこともあります。コロナ禍にある昨今では、不安が強く、運動不足であったり、ストレスの解消ができない状況にあり、このような症状で困っている方は増えていると思われます。

 治療に関しては、適度な運動をする、きちんとした睡眠、規則正しい生活、暴飲暴食しない、禁煙するなどの一般的なことがいわれていますが、治らない場合は薬による治療となります。

 薬物治療としては、胃酸を抑える薬や胃の運動を改善する薬、漢方などが用いられます。これらの薬の中には、内視鏡検査を行わないと投薬できない薬もあります。ディスペプシアと思っていると、実は胃潰瘍や胃がん、内臓の病気が隠れていることもあります。ディスペプシアは、検査などでそのような病気が否定されて初めて診断できる病気であり、症状が続くときは、専門家にぜひ相談いただきたいと思います。

2022年11月6日


会員限定
会員限定
連絡帳みたかい