昨今は、宅配便のドライバーさんが不足するといわれる「物流2024年問題」が世間を騒がしていますが、医療や介護の世界では、以前より「2025年問題」がいわれ続けてきました。2025年問題とは、団塊の世代の方々が75歳を迎えて何らかの病気を抱え病院のお世話になる、つまり医療費が増えるために、国の財政や人材を含めた資源が今以上に厳しくなる問題のことです。 そのために国は地域包括ケアシステムというものを構築し、高齢者施設などの住まいの確保や、そこで過ごす方々の医療や生活の支援を行う人材の養成にも努めています。住み慣れた場所で、高齢になっても住み続けられる環境を整え、それを支えていけるようにしているのです。そしてこれらに関わるのが在宅医療です。 在宅医療では、通院するのが難しくなった方の所に医者や看護師が訪問し、診察や検査、薬の処方、そして、具合が悪くなれば病院受診の手配なども行っています。病院ほどの治療ができるわけではありませんが、自宅で血液検査や点滴、酸素投与などを行うことができ、不慣れな環境に一人置かれることなく、自宅や施設で医療が受けられます。 その一方で、病を抱えていれば日常生活にも不便が生じますので、医療だけでなく、生活の支援も必要となります。ケアマネジャーさんやヘルパーさんといった介護職の方々とも協働して、患者さんの自宅での医療面と生活面の両方から療養を支援していければと思っています。詳しく知りたい場合は、かかりつけ医にご相談ください。 |
2023年12月17日