スポーツ頭部打撲(脳震とう)の対応

健康コラム「スポーツ頭部打撲(脳震とう)の対応」

 さまざまな接触プレーによるスポーツ頭部打撲で、頭痛やバランス障害、めまい感、悪心、しびれ感、記憶途絶などの症状がある場合は、すべてスポーツ脳振とうと判断されます。症状が軽度と思われても、同じような頭部打撲を短時間に繰り返すことでセカンドインパクト症候群という深刻な合併症を起こし、脳に多大な損傷を来して生命にも関わる危険性があります。

 プロスポーツでは、脳振とうと判断された場合、すぐに競技の休止と頭部検査の実施が行われています。アマチュアスポーツでも、セカンドインパクト症候群の防止のために同様の対応が求められています。脳へのダメージを最小限に抑え、身体の安全を図るために、頭部打撲後は第一に安静が必要です。そして、症状の経過観察と回復に応じた段階的な身体活動、練習、競技復帰が重要です。大事な試合が続くなど、心理的な葛藤はあると思いますが、ご自身の安全・安泰を確保してから競技に向かいましょう。各種の競技団体で、スポーツ脳振とうからの復帰スケジュールなどの指標が作成されていますのでご覧ください。

 楽しく、積極的にスポーツを行うことが、将来の自分の目標達成につながると思います。しかし、脳障害などを来せば実現されません。指導者の方々も、スポーツ脳振とうの危険性を理解して、選手の安全が確保された競技環境にご配慮をお願いします。

2024年11月17日


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