肺がんとたばこについて

健康コラム「肺がんとたばこについて」

 肺がんは、肺に発生する悪性腫瘍です。現在、2人に1人ががんになるといわれており、日本では年間約8万人が肺がんにかかります。肺がんの原因はさまざまですが、最も多いものにたばこが挙げられます。喫煙者は非喫煙者に比べると肺がんにかかるリスクが約4倍に増加します。喫煙年数や本数が多いほどリスクは高まり、禁煙するとリスクは徐々に低下していきます。代表的な有害物質はニコチンやタール、一酸化炭素のほか、カドミウム、ヒ素、アンモニア、シアン化水素、ダイオキシンです。

 その中でニコチンはニコチン受容体と結合して、ドーパミンなどの神経伝達物質を過剰放出し、脳内報酬系が活性化されます。喫煙者は多幸感や快感、覚醒効果、緊張緩和などの効用を感じるようになり、ストレスを緩和しています。禁煙治療はニコチン受容体を減少させることが重要で、減少には3~7日間かかるといわれています。喫煙本数の改善や吸わない環境、代替行動が必要となりますが、喫煙場所がかなり限られている現在は、良い禁煙状況といえますので、喫煙道具を無くす努力で大きな効果が得られます。また、代替行動はお茶を飲んだり、歯磨きを行うなどがあります。メンソール系の喫煙者も多く、歯磨きには同様の効果があります。画期的な薬物療法は少ないのが現状ですが、代用療法でも大きな効果があります。

 行動を変化させ、自分はがんにならないと強い決意を持ち、たばこをやめて、さらにきれいな三鷹の空気をつくっていきましょう。

2024年12月15日


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