水ぼうそうについて

健康コラム「水ぼうそうについて」

 最近、市内で「水ぼうそう」の小流行がありました。水ぼうそうは、頭を含む全身の赤みを伴う水膨れのある発疹やかゆみ、発熱が特徴で、時に、手足口病や水いぼと鑑別が必要なこともある病気です。潜伏期間が2~3週間と長めで、飛沫(ひまつ)・接触・空気感染などがあり、学校保健法では、すべての水疱(すいほう)がかさぶたになるまで出席停止となります。このワクチンが、平成26年に任意接種から定期の公費接種になって以来、流行がかなり減り、ワクチンを接種したお子さんたちは、たとえかかっても、発熱もなく、発疹や水膨れの程度も比較的少なく、水疱の傷痕も目立たず治っている印象があります。治癒までの期間も短縮されています。早期診断して、適切な抗ウイルス剤を内服することも一助になっています。

 いったん水ぼうそうにかかると、治った後も、ウイルスが背骨の神経根に一生潜むことになり、終生免疫を得られますので、その後ワクチンは不要です。加齢やストレス、免疫低下などによって、このウイルスは活動を再開し、「帯状疱疹」として発症します。小児の水ぼうそうは、水疱の傷痕が残ってしまうこと以外、重症化はまれですが、成人の初感染や免疫不全で治療中の方、妊婦さんなどは注意が必要です。水ぼうそうにかかったお子さんの家庭内で、ワクチンを受けたことがなく、水ぼうそうにかかったことのない方は、接触後72時間以内にワクチンを接種することで、発症や重症化を防げる可能性があります。ただし、妊婦さんへのワクチン接種はできないので、過去に水ぼうそうにかかっていない方は接触を避けるようにしましょう。

2025年3月16日


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